大学の講義では、ワークショップ形式を沢山取り入れています。
教える側としては準備や衛生面など気を遣うことが沢山あって大変なのですが、
人が物事を体得するときに、7割が体験することによって得られるという法則があるように、体験こそが自分で感じたり考えたりすることに繫がると考えています。
先週の講義では、災害時でも、電気炊飯器がなくても、計量カップがなくても、どんなお米でも、鍋で炊ける炊き方で、ご飯を炊いたあとに「おにぎり」を作りました。(手首のところまで・・というのではありません)

おにぎりを握ったことがないのが普通

小学校でおにぎりを作ったことがある学生はほんの数人。
大学生になるまで、一回も握ったことがない学生が殆どでした。
今は、おにぎりを作る体験はとてもレアなんです。
学校の家庭科でおにぎりを習ったという学生はいませんでした。

おにぎりは「買うもの」と思われています。

おにぎりって自分でも作れそう!!

型を使わずに三角のおにぎりをどう作ってもらうか、悩みました。
普通に両手で握って三角むずびにするのは、初心者にはかなり難しいので、
ラップを使ったやり方を試行錯誤の後に見つけて、実践。
皆、どうにか三角のおにぎりができました。すごく嬉しそうでした。

おにぎりって買うものだと思っていたけれど、ご飯があれば自分でも
意外と簡単にできそう~という声が沢山ありました。
それに気づいてもらえただけでもよかったのかもしれません。

学生たちの好きなおにぎりの具

学生におにぎりの好きな具のアンケートを取ったところ、ツナマヨ、明太子が多く、次いで肉そぼろ、牛肉カルビ、海老、すじこ、鮭、唐揚げ、昆布などでした。

おにぎりはお袋の味?

学生たちは食に全く興味がないわけではないけれど、食を体験する機会が本当に乏しくてここまで育ってきただけなんだと感じます。
ある程度の年齢の方々には、想像もつかないような食の現実が、若い学生たちと接していると見えてきます。
人の素手で握ったお握りは気持ち悪いという若い人もいると聞きます。
お握り(おむすび)は、「お母さんの愛情が詰まっている」とか「お袋の味」という感覚は、かなり遠い昔の事になってしまっているようだということが再認識できた機会でした。