災害時にも、健康を維持する心がけは重要です。
野菜・果物は必要な栄養があるだけでなく、色や食感や香りなどで私達の五感を満たす食材です。ストレスや不安が溜まっている気持ちと体を、野菜・果物のチカラが和らげてくれる効果もあります。
災害時など、普段と異なる状況の中でも、心も体も健康でいたいものです。
その助けになる野菜・果物をどのように摂ればよいのか、摂取できる食品をご紹介していきます。
災害後は様々な状況下が想定されますが、ここでは自宅避難を想定してお話しをしていきます。
災害時の健康維持は野菜が決め手
東日本大震災のレポートを読むと、長引く避難生活の中で、野菜が不足していたことが指摘されています。
人は、必要最低限の栄養だけで心身の健康を充分に維持できるわけではありません。体を維持する基本となる三大栄養素の炭水化物・蛋白質・脂質だけの食事では栄養バランスが不足します。
災害時でも、体の中で潤滑油のような役目をするビタミン・ミネラル類を豊富に含み、五感に刺激を与える野菜を摂取することが重要です。
災害直後にそのまま食べられる野菜の保存食 おすすめベスト3
災害直後に食べる食事は命を繋ぐことが優先されます。このような状況下では、そのまま食べられたり、お湯を注ぐだけ等の食品で野菜が入っているものを選んでストックしておくのがよいと思います。
1.長期保存可能野菜ジュース、野菜スープなど
長期保存が可能な野菜ジュースや、野菜スープはそのまま飲めたり、温めるだけで栄養補給ができる強い味方です。
野菜ジュースは料理にも使えて便利です。例えばアルファ米や、早ゆでパスタなどを加えれば、炭水化物も一緒に摂取することができて一皿でも栄養バランスもよくなります。
レトルトパックの長期保存スープは様々な味のものが出ています。お好みのものを選ぶとよいでしょう。
2.長期保存の調理済み缶詰やレトルト食品など
東日本大震災後、非常食や災害食が充実してきました。各社から、美味しくて備蓄できる缶詰やレトルト食品などが出てきました。
長期保存の調理済み缶詰やレトルトパックは、そのまま食べられて、いろいろな食材が入っています。ですから、ご飯単品よりも、栄養バランスが良くなります。
例えば、筑前煮のように蛋白質と野菜が一緒に入っているもの、チキントマトリゾットのように炭水化物と蛋白質と野菜が一緒に入っているようなものがお勧めです。
フリーズドライのおにぎりや雑炊などの食品の中の野菜の量はさほど多くありませんが、少しでも野菜が入ったものを選ぶとよいでしょう。野菜と蛋白質(魚や肉)が入った五目御飯等はよりバランスがよいですね。
3.お湯を注ぐだけのスープ類
普段使っているお湯を注ぐだけの野菜たっぷり入っているスープや味噌汁などは、非常食ではないですが、災害時にも役立ちます。
非常食のように長期保存はできないので、いくつか常備して、なくなったらまた買い足すというローリングストックをして、備蓄しておくと便利です。
非常食と災害食
非常食 | 災害食 |
ライフラインが止まっている場合を想定した、そのまま食べられる食品や、お湯を注ぐだけ・温めるだけでで食べられるような食品。いわゆる非常食と呼ばれているもの。 | 災害直後ライフラインが途絶えて物資がなくなってから、通常生活までに戻るまでの状況に対応して、普段に近い栄養も考えた食事。非常食も災害食に含まれることもある。 |
日頃からの備えが重要
非常食は、災害食をいざという時のために準備をしておくことはとても大切です。特に非常食とも呼ばれる長期保存タイプの食品は、ライフラインが止まった時の場合に備えて、しっかり用意して下さい。
自宅避難であれば、状況にもよりますが、家庭にストックしてあるものを活用することができます。日頃から野菜が摂れる手軽で便利な食品も、ローリングストック食として備蓄していただきたいと思います。