2024年8月21日~22日 東京ビックサイトにて、アグリエキスポ2024が今年も開催されました。
今年もアメーラトマトの㈱サンファーマーズ様へトータルサポートを行いました。
展示会出展が決まった後、目的の明確化の共有から始まり、レイアウト、備品、アンケート、ディスプレイなどついての提案や具体的な準備、搬入日、当日現場のサポートまでをトータル的に行いました。
サンファーマーズ様は、毎年同じように出展するのではなく、昨年よりも今年のほうがよいブースにしたいという想いを強く持っているので、スタッフの皆さんと「今年はどうしようか」と一緒に考えて作り上げていった結果、年々アップデートしたブースと内容になっていると思います。
2日間で1,000人以上の多くの方々にブースに立ち寄っていただきました。
また今回は、商品(アメーラトマト、アメーラルビンズ)だけでなく、ブースの展示も好評だったようで、他のブースから展示をわざわざ見に来る方がいたり、展示の写真を撮って参考にしたいというる方も多かったようです。
今回のディスプレイは結構悩んだので、サンファーマーズの皆さんにも、来場者や他の出展者の皆さんにも喜んでいただけて本当にホッとしていますし、嬉しいです。
展示会出展の目的とは
展示会への出展する際には、それぞれの企業や団体様にとって何か目的があるはずです。
しかし、その目的を掘り下げてきちんと明確化しているところは少ないのではないでしょうか。
展示会なんだから「商談成立」が目的でしょ?という方もいるかもしれません。
いいえ、商談会と違って展示会には他の目的もあります。
例えばアメーラトマトの場合は、市場経由での出荷がほとんどで、直接取引は基本的に行っていません。
ですから展示会会場で取引したいと言われても、そこで商談は成立しないということなのです。
では、商談しないのになぜ展示会に出展しているの?と思われるかもしれませんが、
商談以外に目的があるからです。
展示会に出展する目的は、いろいろあります。
例えば、
・自社ブランドや自社製品の認知度を向上させる
・商品について対面で詳しく紹介できる
・自社の活動報告(ファンになってもらう)
・お客様のニーズのヒアリング
・開発中の商品のモニタリング
・世の中のトレンドを知る
・お取引している顧客と直接対話ができる
などがあります。
これまでの経験上、展示会に出展をして沢山の名刺をもらっても、
それがすぐに商談に繋がる確率は高くないと思います。
ですから、商談成立にこだわりすぎないで、他にも自分達の目的や目標を達成するための一つの機会と捉えて、展示会を上手く活用して次に繋げられる成果をきちんと出すことが重要です。
弊社の他の展示会サポートでも、展示会に出たことで参加者の意識が変わった、世の中のニーズが把握できた、自身の商品をブラッシュアップができたという事例があります。
ブランドイメージを形にする場
展示会はどんな人がどのように作っているかを伝える場であると同時に、
その会社や商品のブランドイメージを表現する場でもあります。
ただ、商品をきれいに並べればいいというものではありません。
ブランドというのは「尖がり」であり、顧客の心に根付かせるイメージです。
例えば「エルメス」といったら、こういうブランドというイメージを作り上げることです。
サンファーマーズ様の場合は農産物の中でも一番と言われるほど、
ブランディングがとてもしっかりしています。
(アメーラのブランディングについて書かれている本は最後にご紹介しています。)
ですから、スタッフの皆さんと一緒に、アメーラのイメージが伝わるようなブース作りを工夫しています。
よく目立つようにする、お客様に足を止めてもらうために業者を入れる出展者もいるようですが、
サンファームさんは全て自前でやっています。
展示会ブース設営業者とは全く違うアプローチですが、
アグリEXPOの中で多分1番目立っていたと何人の方からも言われました。
シンプルに
店頭でもネットでも同様ですが、いろいろな情報がありすぎると、何を伝えたいのかよくわからなくなってしまいます。
ですから、なるべくシンプルなディスプレイにするように工夫しています。
さらに、ブースの色も大切です。
アメーラトマトのブランドのイメージカラーの基本色は白と赤。
ですからなるべく色々な色を使わないで見せるようにしています。
赤の補色は緑色ですので、緑が入った方がトマトが活き活き見えるというメリットもあるのですが、
あえて使わないようにしています。
また展示用資材、試食用の容器などもなるべく統一感を出すために、あちこちで探して使用しています。
このように細部まで配慮することで、一体感のあるブースになりブランドイメージを伝えやすくなります。
商品の食べるシーン、使うシーンをイメージさせるディスプレイ
農産物に限らず食品は、どうやって食べるのか、どうやって使うのかイメージできないものをお客様は絶対に購入してくれません。ですから「伝える」方法や道具が重要です。
どんなシーンで使ったらいいのかを伝える一番簡単な方法は、対面の場合はトークで話すことです。しかし、言葉では伝わりにくい場合は、視覚的に食べるシーンを再現して伝えることです。
実際にその商品を使った料理写真や、試食でも良いと思います。
新しい商品作りのためにお客様の反応を知るためのディスプレイ
しかし今回は、より具体的に使うシーンや食べるシーンをイメージしてもらうための
ディスプレイを行いました。
さきほど、展示会の出展目的は商談成立だけでなく、他にもあるという話をしました。
お客様の反応を聞く、アンケートを取ることも出展目的になります。
今回は、既存商品(アメーラルビンズ)のアンケートを取る事が出展目的の一つだったので、
アンケートに答えていただくために、具体的なシーンを再現しました。
アンケートの精度を高めるための工夫
ブースに立ち寄ってくださったお客様にアンケートに回答していただき、結果を次に反映させるためには、それなりに準備が必要ということなのです。
つまり、どういう商品なのか、どう使うのか、という細かい情報をなるべくわかりやすい形で見える化して、感想や意見を述べてもらうことで、精度の高い回答を得られるわけです。
例えば、商品が「美味しいか、美味しくないか」という二択でシンプルに回答を得る場合もありますが、
どんなふうに美味しいのうぃいいのかを知りたかったら、そういう答えを引き出す工夫が必要です。
またアンケートは記入式とヒアリング式がありますが、目的に合わせてスタイルを決めるといいと思います。
アンケート用のゾーンでは、
プチギフトとお1人様グルメという2つのマーケットの方向性を仮定して、
限られたスペースでしたが、使うシーンのイメージをなるべくわかりやすく表現しました。
プチギフトは、既存の商品を2個パックにしたもので、お世話になった方々へのお礼やちょっとしたプレゼントにできるものと、少量パックにして結婚式のプチギフト(披露宴の最後に新郎新婦が感謝の気持ちを込めて配る)という具体的なシーンを創り、アンケートに答えていただきました。
お1人様グルメ(これは弊社が作った造語)のほうは、今個食が増えているので、商品をサイズダウンしたものを使って、「ちょっと食べる」、「ちょい足し」のシーンを表現しました。
アメーラルビンズはジェリービーンズの様にかわいい形であるだけでなく、皮が硬めでパキッっとして濃い味が特徴です。
また、通常のミニトマトよりも小さくて、日持ちがするのが特徴です。
他のミニトマトと違った個性を活かしたたマーケティングはとても重要です。
生産者にとって顧客は実需者(市場、商社、卸、スーパー等)だったり、
直接消費者の方々だったりケースバイケースです。
相手が違えば、同じ農産物でも、アピールの仕方やポイントは違ってきます。
いつも同じ事を熱く語っても、相手に刺さらないことも結構あります。
相手によって伝え方を変える、訴求ポイントを変えるというのも大切です。
展示会で逆提案が流行り?
今回のアグリEXPOでブースに立っていると、「こういったサービスをやっているのですがいかがですか」と逆営業されたりすることが結構ありました。展示会には沢山の生産者が集っているので、効率よく営業できたり、リサーチができるからなのでしょうか。
農業がクローズアップされているので、農業関連でニッチな仕事が増えていたり、何とか参入しようという意気込みを感じます。
マーケティングは積み重ね
展示会の前には、どういう方向性で展示するかだけでなく、どうやって商品を販売していったらいいかという事を、たくさん討議しています。
サンファーマーズでは近年「アメーラ女子会」という形で、アメーラを作っている女性経営者、マーケティング担当者、ウェブデザイナーさんなどと一緒に、想いを形にするために自主的に定期的にディスカッション(オンライン)して、会社にフィードバックしています。
今回の展示会のアンケートを取るためのディスプレイは、女子会から具体的なアイディアがいろいろ出てきました。そこを私が落とし込んで形にしました。。
常に向上心をもって
アメーラトマトはスペインでも生産していて、関係者の皆さんは毎年欧州の展示会にも出かけています。
私もご一緒させていただきましたが、海外の展示会はとても勉強になります。
サンファーマーズ様の常に向上心をもって次に進む社風は本当に素晴らしいです。
私もそうでありたいと思っています。
弊社も、今後もアメーラトマトがますます輝いていくためのお役にたてたら幸いです。
最後になりましたが、アメーラのブランディングを手掛けている岩崎先生の本をご紹介します。
とても読みやすく、わかりやすい本です。
(ご参考)
『小さな会社を強くする ブランドづくりの教科書』 岩崎邦彦氏(静岡県大教授)
https://www.amazon.co.jp/%E5%B0%8F%E3%81%95%E3%81%AA%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%82%92%E5%BC%B7%E3%81%8F%E3%81%99%E3%82%8B-%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%A5%E3%81%8F%E3%82%8A%E3%81%AE%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8-%E5%B2%A9%E5%B4%8E-%E9%82%A6%E5%BD%A6/dp/4532319056#customerReviews
弊社は展示会のプロデュースを行っています。大きな会社ではありませんが、出展目的の明確化からブースの展示まで、お客様と二人三脚でトータル的にプロデュースできるのが強みです。