2009年4月28日(火曜日)に、
舞浜のシェラトングランデ・トーキョーベイにて
日本ソムリエ協会関東支部の ワールドワイン春祭りが開催されました。

第一部の講演で、
『野菜を知る ~野菜のおいしさとワインの相性~』
というテーマで、お話をさせていただきました。

ワインと野菜料理の相性を語るには、 まず、野菜や野菜料理とはどのような
食品なのかを知っていただく必要があるので、短い時間でしたが、
野菜と野菜料理の概論を説明しました。
次に、ワインとの相性という 新しい切り口のお話もさせていただきました。

野菜料理とワインの相性を考える実際例をご紹介して、
実際に3種のお野菜とワインで、参加者の皆さまに体験をしていただきました。

品種によって味わいが違う
サツマイモに合わせるワインも異なる
2種のサツマイモのポタージュ
品種によって合わせるワインが異なる例を紹介

加熱と非加熱のトマトとワインの相性

同じ品種で同じ産地のトマトの生と加熱調理したものと、
 白・赤ワインの相性をそれぞれ、
 テイスティングしていただき、
 トマトの調理性により、合わせるワインが、同じ素材でも
 まったく変わっていくという体験をしていただきました。

生と焼きトマト

 会場の皆さんは、同じトマトの生と加熱後の
 味の変化をきちっと感じとっていただけたようで
 ホッとしました。

味覚センサーのデータを紹介

今回は、㈱味香り戦略研究所様にご協力いただき、
皆様の舌で感じた官能評価と共に、
実際に、生と加熱調理後の味の変化のデータをだして
いただきました。
皆様にテイスティングしていただいた
結果と、味香り戦略研究所の味覚センサー
(九州大学で開発された、おいしいを科学するセンサーで、
人間の舌をモデル化したもの。)のデータ結果を
比較していただけたと思います。

人が官能テストなどで得られる結果と
客観的なデータを比較することは
今まであまりなかったと思います。

野菜とワインの共通点

野菜もワインも品種による違い、テロワールによる違いで味が大きく異なるところが共通点です。
ひとつひとつ皆違うもの同士を合わせて、ぴたっと合った時の
面白さは、肉魚よりももっとワクワク感がありかもしれません。

野菜の味や美味しさの研究はまだまだ 未開の部分がたくさんあります。
感性だけでも、科学だけでも解明していかれない世界があります。
自然由来の難しさとともに、その面白さを広げていきたいと思います。

今回は、日本ソムリエ協会の五鬼上さんをはじめ、
多くの方々にお世話になりました。
この場をお借りして、御礼申し上げます。

私自身も、この講演の準備を通して、
ワインと野菜料理の相性の面白さに
改めて、気付くことができました。