ドイツ・ベルリンで開催されていた「フルーツロジスティカ2020」(2020年2月5~7日開催)行ってきました。この展示会は世界屈指の規模で、欧州を中心に90か国、約世界3,300社が出展しています。

生鮮野菜・果物を始め、カット野菜、冷凍野菜、包装資材、栽培システム、ロジスティックまで野菜ビジネスに関わるあらゆる分野のサービスや製品をみることができ、野菜ビジネスの最新の動向を知る事が出来ます。
農業がいかに世界のビッグビジネスなのかということを感じました。

今回は、私が社外ブレーンとしてマーケティングやプロモーション等のコンサルティングをお手伝いしているアメーラトマト(株式会社サンファーマーズ)が、南スペインで現地法人を立ち上げ、2年程前から欧州むけの生産・販売を開始しています。
提携パートナーであるラパルマ社(スペイン野菜果物の生産者団体)のブースでアメーラトマトが紹介されるので、訪問してきました。
(着物の調達や着付けもお手伝いしました)

ラパルマのース
アメーラトマトのPR
稲吉社長とアメーラトマト

野菜・果物? 果物・野菜?

そもそも、日本だったらこの2つは野菜、果物という順番で語られることが普通ですが、この展示会名は、日本語訳では「国際果実・野菜マーケティング展」と果物が先にきます。
ここで、果物が「食事の一部」として豊富に食べられている欧州や米国と、「嗜好品」として捉えられている日本との食生活やそれに伴う取り扱われ方の違いをまず感じました。(また、日本は欧米やアジアの国々と比較して果物は高価)
展示会で取り扱われているアイテムも、断然野菜より果物の量が多く、日本では感じられない、世界的な果物のマーケットの大きさを感じました。

チキータのブースは巨大

日本の種苗メーカーの活躍

日本の種苗会社(タキイ種苗、トキタ種苗、サカタのタネ)なども大きなブースを構えており、沢山の人が集まっていて、関心の高さが印象的でした。
欧州では日本の種苗会社の野菜の種がかなり使われていると聞いていたので、なるほどと思える人気ぶりでした。

タキイ種苗ブース
トキタ種苗ブース 時田社長と
サカタのタネのブース

梱包資材・包装資材のエコ化

今回全体として一番印象に残ったのは、資材のエコ化です。
世界的に脱プラスティクの流れで、紙類やエコ素材のネット(オレンジなどを入れる)、木箱など様々な豊富なサイズや形状のものがあちこちにありました。
日本では、きれいにトレーにのせてから包んでパック状にされているものが当たり前のようにありますが、欧州のマーケットやスーパーはバラ売り・量り売りが基本ですので、欲しいものを自分で選んで、紙袋やビニール袋に入れて自分で計ったり、定員さんが計ってくれてシールを貼ってくれます。

通気性のよいトマトの紙製パック
ぶどうをミニげ袋に入れて販売

また、日本と流通も異なるので、最初に産地などでパック詰めされたものが最終商品になるか、バラ売りされるかどちらかです。最終商品としての見せ方が、商品価値にも繫がるので、デザイン性が高く、かつ通気性や保存性も工夫されているものが多く見られました。

日本は流通の仕組みが異なるので、小売店やスーパーで、大きな箱からリパックしたものが店頭に並びます。しかし、人員不足などもあるので、リパックせずにエコで見栄えがよいパッケージや売り方の工夫は必要になるでしょう。

りんご4個入りの紙パック

トマトは別格

野菜を取り扱っているブースも見て回りましたが、やはり花形はトマト。
トマトだけは別格です。それだけ世界的に需要の高い野菜(フルーツとして捉えている国もある)なんだなと実感しました。オランダや他国の大きな種苗会社のブースも見て回りましたが、トマトを制するものは世界を制することができるのでは?と思ってしまう程でした。

シンジェンタのブース
カラフルなミニトマト類
房トマトを使った見事なディスプレイ

欧州におけるトマトについては、にスペインでの生産地や、スーパーやマーケットのレポートにて触れたいと思います。