千葉県と、ちばの「食」産業連絡協議会では、埋もれたちばの逸品を発掘して、
それに光をあてるために、毎年「食のちばの逸品コンテスト」を開催しています。
私は最終審査員として関わらせていただいています。
審査の基準や内容は控えさせていただきますが、逸品コンテストを通して感じた事の一つが、
「美味しさを左右するファクター」です。
今日はそれについて少し触れてみようと思います。

商品の嗜好性

他者に評価(購入)されるためには、「美味しさ」は何といっても重要なファクターです。
ただ、アイテムによっては人によって美味しいか美味しくないかという評価に
かなり差が産まれるものもあります。
ではどんなアイテムが評価に差が産まれるかというと、
「嗜好性」が強いアイテムほど異なる訳です。
つまり好き嫌いが分かれるということですね。

ある地域資源や農産物で加工品を開発しようとしたときに、
「何を作ろうか」とアイディア出しをすると思います。
その時に、それぞれのアイテムの嗜好性がどの位強いかを考えるのも重要ということです。

嗜好性が高いものは、ニッチな商品になります。
嗜好性がそれほど強くなければ、ある程度万人受けするようなマスな商品になるでしょう。
どちらがよいかは、一概に言えません。
なぜなら商品開発をする目的、資源の量、開発環境、販路などが関わってくるからです。

大量生産大量消費の時代は、沢山作って沢山売れる事が重要視されてきましたが、
今はそうではありません。
ニッチな商品でも根強いファンがつけば、売れる商品となる可能性も高くなっています。


何を作ろうかと考える時は、ぜひその商品の「嗜好性」と誰に食べてもらいたいかを考えてみて下さい。

どこに委託加工(外注)するか?

次に自社加工できない場合、委託加工(OEM)することがよくあります。
この時に、どういうところに委託加工するかが、美味しさの分かれ目
いっても過言ではないと思います。

同じアイテムでも、委託加工先の製造技術や機械によって、まったく違うレベルの商品が出来上がってしまうからです。また、どのようなレベルの原料や調味料を使用するかによっても、味の差が産まれます。

委託加工する時には、少なくとも2社以上にあたって比較検討することをお勧めします。
(皆さんが大事な買い物をする時には、どちらの商品がいいかスペックを比較検討して買いますよね?
 それと同じです。)

もう一つ、「こういう感じのものを作って欲しい」とイメージを伝えて依頼しても、満足いくような商品に仕上がらないというケースもあります。
自分の思い通りでない場合は、簡単にあきらめず何度も納得いくまでやり取りした方がよいのですが、
それでも、イメージと違う、納得できない等のケースも存在します。
委託業者が自分のポリシーを曲げない、イメージがどうしても理解してもらえない等の場合です。
これは残念ながら依頼者の努力だけではどうにもならない、つまり相性が悪いということです。

このような事態を回避するためには、
依頼する前にその会社が委託製造した別商品をいくつか食べてみる、
正式に委託する前によく話を聞く、製造場所を見る、
試作品が納得いかない場合は、正式依頼をしないと事前に話をする等、
依頼する側がリスクを回避できる事があります。
つまり、依頼者が「自分が作れないから代わりに作ってもらう」と思って、
委託先に遠慮しすぎなくてもよいのです。

美味しい商品を作る為のファクターはまだ他にもありますが、
先般のコンテストの審査を通して、私自身が美味しさのファクターで、改めて大事だと感じた2つの事を
書かせていただきました。
失敗しないためには、専門家のアドバイスや情報を上手く活用するのも一つです。
ワンポイントアドバイスもお受けしておりますので、ご興味のある方はお問合せ下さい。