シリーズで開催している新商品開発の社内研修ですが、今回は講義内で、「現状の売り場(紙面)の課題に気が付くためのワーク」と「情報提供力養成ワーク」を行いました。
意識変革、行動変容はどこの企業・組織でも課題だと思います。
上から指示されるがままに行うのではなく、社員の皆さんが、分析したり、話し合いして、これはちょっとまずいね、こうしたほうがいいよねという意識を作っていくことが、具体的な行動変容に結びつき、改善や開発に繋がります。
今回は、クライアント様の実務にフィットしたオリジナルコンテンツでワークを行いました。
ルーティーン化、マンネリ化で見失ってしまうこと
クライアントの生協連合会様は紙面が売り場です。必要情報に加えて、購買意欲を高めるような情報を効果的に掲載していくことが重要です。しかし、その作業が単純にルーティーン化したり、人任せになってしまうと、売り場は魅力がなくなったり、わかりづらくなったりしてしまいます。知らないうちに、お客様にストレスを与えていたり、購買意欲を削ぐ行為をしている可能性もあります。
顧客視点で紙面(売り場)を分解してみる
今回は、売り場(紙面)で「食べ方の提案」がどのようになされているか調べてもらいました。料理の写真が単に載っていても、それが本当にお客さまの食べたい、買いたいに繋がっているのかということを話し合っていただきました。
次に、視覚の重要性の話をした後に、今度は紙面の視覚的な情報に主にスポットをあてて、あたらためて紙面を皆さんに見ていただき、「見やすさ」「分かりやすさ」が出来ている点、うまく出来ていない点を分析していただきました。
切り方一つでも販売に影響が出る
開発関係者は、調理に精通している人ばかりではありません。しかし食品は切り方や調理法など表現方法が違えば、まったく結果が異なる素材です。つまり、切り方一つでも販売に大きな影響が生まれるのです。そこを意識していただきたいと思い、具体例を使って説明しました。
商品情報提供力を高めるための食べ比べワーク
果菜類が豊富な時期なので、ナスとトマトについて解説しました。
特にトマトは売上構成に大きなアイテムです。種類が豊富であることは、逆に
違いをきちんと訴求することが大切です。
今回2種類のトマト(ピンク系、赤系)をそれぞれ生食、加熱で食べていただき、その違いを体感して、表に書くことで自分の感じたことを表現してもらう
ワークを行いました。
食べ比べワークは、自分の感じたことを文字にアウトプットするという訓練で、回を重ねることで、上達していきます。
あらゆる食品産業で応用できる体験型グループワーク
今回の研修は、野菜・果物にフォーカスしていますが、様々な食品を取り扱う企業団体にも、アイテムを変えて応用することが出来ます。自分達の当たり前や思い込みを壊して、自分から気付いてもらうこと、意見を言い合う事、それが新しい価値を生み出す最良の方法です。その為には、体験型グループワークはとても効果的です。
参加者のコメント
・改めて売り場(紙面)を見ると、顧客は買う気にならないと感じた。もう少し 丁寧な作りをしないと、何を買ってよいかわからない売り場になっている。
・紙面(売り場)はいつも見ているようで、全然みていないことがわかった。
実践的になってきて研修が面白い
・商品を販売するときに、視覚で伝える情報と文字で伝える情報のバランスが
大事だと改めて認識しました。
・調理法で販売の展開に違いが出せることと、意識出来ていなかったことに
気がづきました。
・素材の切り方と特徴では、全て意味があることを知りました。
・紙面(売り場)は、客観的に見てみると、情報の多さや見にくさに気づき、
引き算が必要なのではと思いました。
・トマトは生と加熱の食べ比べると、品種により違うんですね。
・食べ比べるとそれぞれの特徴がわかるので、紙面(売り場)作成に役立てたい
です。
・まったく料理をしないのですが、料理、レシピ等がチラシ(紙面)に繫がり
お客様の購買意欲まで結びつくことを感じ、必要性も感じます。今後の仕事に
活かさないといけない内容を学びました。