大学の環境と食文化の講義では、「水」からサスティナブルな社会と生活を考える講義を行いました。この水の講座は、企業などでも行っています。
水をマクロ、ミクロ的な観点から学び、水を有効活用できることは、サスティナブルな社会や活動に大きな意味があると思います。

日本は水資源が豊かな国だから、水に対する意識は低い

日本は、水資源に大変恵まれている国です。当たり前にある水についての意識はまだまだ薄いのが現状です。しかしサスティナブルなモノ作りや生活を続けるには水の問題は欠かせないと思います。

水は貴重な循環資源

水は「循環資源」です。ひとつの所に留まっているのではく流動している資源で、地域によって豊富なところとそうでないところがありますし、時期や気象条件などによってその量が変化することもある「不安定な資源」とも言えます。
日本の国内でも、水の豊富な地域とそうでない地域があり、あまり知られていないことですが、かなり遠隔地より水を引っ張ってきたりしている地域もあります。エネルギーコストとしての水を意識する、水も千差万別であることを知るという講座を行いました。

ところ変われば水変わる

水は場所が変われば、味が変わることを意識することはあまりありません。
講座では、水のブラインドテストを行い、硬度や味の違いを官能評価してもらいました。あまり差が感じられない人もいれば、敏感に差を感じる人もいます。。硬度によって、加熱して柔らかくなる時間も異なりますし、出汁の味も異なります。食品加工にかかせない水について学ぶ機会は意外とないものです。

急須でお茶を入れたことがない

大学では、水の飲み比べの後に、煎茶を急須でいれるという体験を行いました。温度の違いで茶葉の抽出が異なったり、苦み成分の出方が温度によって異なることを学んだ後、実際に体験してもらいました。
学生たちの感想を見ていると、苦みという味覚は個人差が大きいことが感じ取れたと思います。
余談ですが、急須でお茶を入れたのは初めてという学生が多く、「お茶を入れる」という日本の文化そのものが失われつつあり、急須という道具が絶滅危惧種になっていることを改めて感じました。