2019年12月に、埼玉県のコンサルティングファームの方々を対象に、農産物のコンサルティングについてレクチャーを行いました。
対象は、主に中小企業診断士の方々で、コンサルタントとして農業生産法人などの支援をし始めた方々やこれから支援をしようとしている方々でした。
中小企業診断士の多くの方々は、すでに別の業種で財務、労務管理、製造管理、法務などの豊富な実務経験があり、その経験と診断士としてのスキルをもって、農業分野でも支援を行う機会が少しずつ増えているようです。
残念なコンサルティングをなくしたい
しかし、既に農業分野でコンサルタントをしている人でも、農業のことがよくわかっていないでコンサルティングをしている残念なケースも見られます。実際過去にそういう方たちを何人も見てきました。残念なコンサルタントにあたってしまい、きちんと結果を産み出せなくて、私に依頼が来た事例もありました。
私はその度に、農業のことをあまり知らないで、現場や農産物もよく見ないで、よくコンサルタントできるな~と思ってしまうことが何度もありました。多分他業種でのノウハウをそのまま転用できると思っているからなのだと思います。でも実際に支援してみて、どうも違う、難しかったという人もいらっしゃいます。農業を支援したいという想いがあっても、その想いだけでは、コンサルティングはできないという事なのだと思います。
例えば、六次化の加工機材購入等の補助金獲得など直近の課題解決はできても、その先の販路開拓などのビジョンがきちんとかけない、フォローが全くないケースも見られます。また、事業計画もどこかの成功事例を見つけてきて、それを転用してしまうケースも多いようです。
農業コンサルティングの難しさ
農業の場合は、農業スタイルも、環境も、作物も全部クライアント毎に違いますので、単にどこかの成功例を転用すれば、よい結果が産まれるワケではありません。本当に多種多様なのです。また、1年に何回も回転できる作物ばかりではないので、結果が出るには、他の業種よりもある程度長いスパンが必要だったり、難しい点も多い産業です。
農業の特殊性
農業や農産物は他の産業と比較して、かなり特殊な部分があり、農業の構造や農産物全体のリアルな状況を理解する必要があります。農業特有のちょっとねじ曲がった構造や独特なモノ作りの世界は、業界読本を読んだだけでは、わからないと思います。
農業を支援したいという想い&知識がないと続かない
私は、コンサルタントとクライアントさんが双方winwinになるためには、コンサルタントが、最低限の専門的知識を学ぶこと、もっと農業に歩み寄る想いが大切だと思っています。
私は、農業に関わる人が幸せになるためにどうしたらいいのか、という観点でこの仕事を10年以上続けてきました。その想いだけで突っ走ってきて、いつの間にか知識や経験を積んできたのかもしれません。
今、農業の世界でも、技術や経営を指導する立場の人材不足が各地で起きているという話も聞きます。専門性を身に着けた民間のコンサルタントが求められる時代が来ているのではないでしょうか。
コンサルタント向けの研修
現状では、農業コンサルティングに関する充分な情報や知識を得る機会はごく少ないので、是非そういう研修会を行って欲しいという話から今回のセミナーが行われました。
私は、せっかく農業分野でコンサルタントとして支援活動をしたいと思っている方々に、失敗をしてほしくないと思っています。失敗したら当人だけでなく、農業関係者もダメージを受けるからです。
ですから、今回のようなコンサルタント向けの農業&農産物の研修を今後も提供していけたらと考えています。(おせっかいビジネスです(^^)/)
もしご要望がある方は、是非弊社までご連絡下さいませ。