災害時の心身の健康維持は野菜が決め手
災害時にも、健康的な生活をなるべく維持する努力が必要です。そのためには、野菜の加工品の知識や情報があることと、日頃から備える、使う、足すというローリングストックをしながら使い慣れていると、いざという時に役立ちます。
東日本大震災のレポートを読むと、長引く避難生活の中で、野菜が不足していたことが指摘されています。
野菜は必要な栄養があるだけでなく、色や食感や香りなどで私達の五感を満たす食材です。私達のストレスや不安などを和らげてくれるので、心の健康にも野菜は大切な食品です。
災害時も普段も、少しでも野菜を摂取していただくために、色々な野菜の保存食についてご紹介していきます。
今回は、「乾燥野菜」についてお話しします。
乾燥野菜とは?
昔は、野菜を天日干ししていましたが、今では人工的に乾燥させる方法が色々あります。例えば、熱風乾燥や、低温乾燥、フリーズドライなどです。
乾燥させたものを粉末状にしたものも出回っています。
野菜の保存食の中で、最もシンプルなものが乾燥野菜です。乾燥野菜は、古くから世界各地で作られてきました。日本では昔から主に冬の間の保存食として各地で作られてきました。
今では、家庭だけでなくインスタント食品や外食産業でも使われるようになり、乾燥野菜の種類も豊富になっています。
使いたい時にすぐ使える
野菜は皮を剥いたり切ったりする下処理が面倒なので、既にカットされた乾燥野菜はその手間が省けてすぐ使えます。
青菜の乾燥品は、料理の色を良くしたい時のちょい足しにもいいですね。
野菜を頻繁に買いに行けないという時も、乾燥野菜をストックしておくと、すぐに料理にとりかかれます。
コンパクトにストックできる
乾燥野菜は軽量でコンパクトになっているので、ちょっとしたスペースなどに保存できます。ただ、粉砕しやすいので上に物を乗せるのはNGです。
野菜だけのほうが使いやすい
わかめとねぎなど、野菜と別の素材が一緒に入っているものは、便利なようですが、用途が限定されがちです。
1種類の野菜を乾燥させたものや、数種類の野菜をミックスしたもの(根菜ミックスやスープミックス用など)のほうが使いやすいでしょう。
乾燥野菜の栄養
野菜は8~9割が水分で出来ているので、乾燥させることにより水分が減少して、野菜の旨味や栄養素が濃縮されます。
乾燥野菜には、生鮮野菜に含まれている食物繊維、カリウムやビタミンAやビタミンCなどがも含まれています。少量で効率的に野菜の栄養を摂取できるところが乾燥野菜の優れたところです。また、乾燥により香りが強く感じられるものや、色が鮮やかになるものもありますので、上手に乾燥野菜を使うとお料理が簡単にグッと美味しくなったり、見た目が良くなります。
乾燥野菜を入れるタイミング
- 汁気の多い料理の場合
スープや味噌汁など汁気が多く、煮込んでしまうような料理の場合は乾燥したまま入れてOKです。根菜類など堅めの野菜は早目に入れ、葉菜類などは最後のほうに入れても短時間で食べられるようになります。 - それ以外の料理の場合
汁気の多い料理以外は、一度水で戻して柔らかくしてから調理します。戻し汁には野菜の旨味が入っているので、出汁として活用することもあります。 参考例:豆苗と切干大根とコンビーフのペペロンチーノ
開封後は早めに使う
保存場所の湿度や温度によって品質が変化するので、開封後は早めに使うか、密封した容器に入れて保存などの工夫が必要です。
例えば切干大根などは、赤茶色に変色することがあります。空気中の水分によって野菜の持つ糖分が変色することが原因ですので、開封後はなるべく早く使って下さい。
インテリアにもなる乾燥野菜
ポップコーン用のトウモロコシや唐辛子を藁で編んだ物などが時々売っていますが、これはお部屋のインテリアにもなる乾燥野菜ですね。
家庭で作れる干し野菜
干し野菜は、ご家庭でも天日乾燥やオーブン乾燥などで気軽に作れます。最近は家庭用の電気乾燥機もよく見かけます。
ただ、家庭での乾燥は、売っている商品と同じようにいかない場合もあります。
なぜなら野菜によっては、乾燥温度や時間を調整しないと野菜の特性(栄養素や色など)を損なう事があるからです。販売されている乾燥野菜は、特性を活かせるような機械や技術を使って作られています。
家庭では、乾燥後はすぐに密閉状態(できれば真空パック)や、早めに使い切ることが良いと思います。
食品ロスを減らす乾燥野菜
乾燥野菜は、余った野菜の有効活用できて健康にも役立つサスティナブルな食品です。生産者が規格外品を使って、食品ロス減らすために加工しているケースもあります。直売所や道の駅では、小規模生産者の乾燥野菜を販売してることが多いので、ぜひ見かけたら小さいサポートの意味でも購入してみてください。